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執筆者の写真osamu sahara

なぜ学会に参加するべきでしょうか?

更新日:2月25日





 「習ったように教えるな!」、これは私が美術教育を学ぶ授業の最初に言われた言葉で、すごく記憶に残った一節です。学生のみなさん、小学校はすでに10年近く前ですよね?その間に美術教育の方法論などには実は大きな進展があります。何を教えるのか、その指針となる学習指導要領も10年に一度改訂されます。また、日々大きな発見が起きています。特にグローバルな観点で美術教育を俯瞰してみると、その変化のスピードや多様さは大変興味深いものです。MAKERムーブメントもあって、学校に3DプリンターやレーザーカッターなどDIYで何でも作り出してしまう環境を作っている人たちもいます。またAIをどうやって教育に導入させようか、プログラミング教育と美術教育をどうやって結びつけようか、新しいテクノロジーが創造的な世界を革新的に変化させようとしています。次の世代の美術教育を担うみなさんは、そうした社会基盤の変化に呼応するようにアンテナをはっておきましょう。感性や情操といった核心部分はもちろん重要です、これまで学習してきた美術の授業を現代の課題や新たな学習指導要領にそわせ、どのように組み上げるかそこがアートなのです。だからこそ最新の情報を得る必要があり、それが学会という場です。

 日本には美術科教育学会や、日本美術教育学会大学美術教育学会があります。美術教育は常に新しくなっています、だからこそ常に学会に出向いて積極的に情報収集したり、情報を提供することが大切ですね。うちの可愛い動物たちを診療してくれる鳴門の獣医師の先生は診療をお休みにしてよく学会に出向いており、だからこそ信頼して大切な動物の家族を預けられるのです。美術教育を志すみなさんも是非学会にも目を向けてみましょう。


 また、私たちの美術教育の根幹となる考え方は第二次世界大戦後のUNESCOやInSEAといった民主主義的な価値にもとづいた「芸術による教育」が基盤となっています。今のこの世界情勢のなかで私たちは美術を通して何が教育できるのか、多くの教師や研究者が真剣にそしてみな笑顔で探求を続けています。国際学会はInSEA(The International Society for Education Through Art)があり、世界中の研究者が集まります。また、米国のNAEA (National Art Education Association)も大きな美術教育研究の学術団体です。海外の学会にも出向き、さまざまな研究者の考えや授業のアイディアに触れると美術教育って楽しい!って本当に心ときめく体験ができます。お隣の韓国や中国では多くの学生が米国などで修士や博士を取得しています。私は余裕があるならぜひ急いで教員にならず、ゆっくり美術教育っていったい何だろうかと大海原に漕ぎ出して探求するのもオススメだと思っています。


 何よりも自分の足でその国や地方にでむき、そこでの美術表現や美味しい料理、楽しいお話を文化として享受すれば人生はより豊かになると思います。よく学び、良き研究をして、素晴らしい美術教師やアーティスト、はたまた研究者になるためにぜひ学会に行きましょう。


 ちなみに添付の画像はInSEAの世界大会が開催されたトルコのトイレの標識。男性トイレはBAYなのかBAYANなのかわからず、2択に賭けて入っていくわけにもいかず。。。なぜここをピクトグラムで示さないんだ!!と思った瞬間です。こんなところでも人が生活する環境をデザインする美術教育ってやっぱり重要だと気付かされます。ちなみにパリの国際学会会場だった大学のトイレは全部個室の男女兼用。トイレ文化1つみてもその表現の違いは面白いものです。


徳島大学からのお知らせでした。

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